オムニシールの種類
オムニシールには多くのシリーズ、タイプが用意されているため用途・使用条件に合せてより的確な選定ができます。
ラジアルシール
主として回転、揺動、往復動など運動用です。シール開口部(圧力を受ける側)が軸またはロッドと平行なラジアルシールは標準リップ、標準ヒールタイプのほか各種のバリエーションがあります。
スクレーパリップタイプ 内径または外径にスクレーパを持っており研磨性のある液体、粘度の高い流体に対してはワイパの役割をします。ほこり、汚れた雰囲気では防塵用としても使えます。 |
エキストラヒールタイプ ヒール部分を厚くして高温、高圧時のハードウェアの隙間からのはみ出しを防ぎます。(バックアップリングの役割) |
フランジ付きヒールタイプ 高速回転、揺動(正・逆転)等の場合に外径側がつれ回りするのを防ぎます。また低温の用途ではこの部分を固定(はさみこむ)することにより、シールが収縮して軸を締め付けるのを防ぎます。 |
フェースシール
主としてフランジ部分など固定用です。シール開口部(圧力を受ける側)が軸と直角なフェースシールは、圧力を受ける方向により内圧用フェースシールと外圧用フェースシールに分けられます。フェースシールは低・中速で平面摺動用として使われることもあります。 |
400Aシリーズ/低・中圧、中・高速用
400Aシリーズは樹脂カバー(ジャケット材)の中にU字型に成形されたスプリングがはめ込まれています。スプリングが柔らかくたわみ量を多く取れるため、芯揺れ・偏芯なども吸収でき、摺動抵抗が小さいため中・高速の運動用に適しています。 |
400Aシリーズラジアルシール
運動の種類・用途に合せて下表から選定してください。表内の数字は400Aシリーズのタイプをあらわしています。
103Aシリーズ/中・高圧、低速用
103AシリーズはPTFEカバーの中にスパイラル状に成形されたスプリングがはめこまれています。 |
103Aシリーズラジアルシール
RPⅡシリーズ/特に苛酷な用途用
RPⅡシリーズは樹脂カバー(ジャケット材)の中に金属の薄板を重ねて折り曲げたスプリングがはめこまれています。スプリングのたわみ量が多くとれ低速の回転運動、往復動のほか固定用にも用いられます。オムニシールの中では最も頑丈に作られており、溶融プラスチック用バルブ、金型締付部など過酷なところでも使用できます。サイズはJIS P10A以上(断面形状の小さいものは作れません)となります。 |
SRⅡシリーズ/400Aシリーズエコノミータイプ
SRⅡシリーズは400Aシリーズラジアルシールとほぼ同じ構造、性能をもっています。サイズはJlS P3からP22に適合し、数量が1ロット500個以上の場合にメリットがでます。 |
1100Aシリーズ/極低温・真空用フェースシール
1100AシリーズはPTFEカバーの中に特殊U字型スプリングがはめこまれています。フランジ部用のシールとして超高真空、極低温用などのほか、回転継手など低速運動にも用いられます。反力が大きく頑丈なスプリングは極低温でPTFEカバーの収縮に耐え安定したシール性を保ちます。 |
オムニシールの選定/圧力、温度、スピード
オムニシールの選定にあたっては、システム圧力、スピード、温度などの条件も考慮に入れる必要があります。オムニシールのシリーズと温度、圧力とスピードについては右図を参考にしてください。
※これらのグラフの値は控え目なものもので、特殊設計品はこれらより、はるかに厳しい条件で使われております。
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